powerautomateDesktopは使えるのか
現在、RPAツールには大きく2つに分類できる。
1つはUI-Path AutomationAnywhere360に代表される全社レベルで利用されるもの。主にIT部門が中心になって、各々のボットを管理統制し、稼働させている場合とWinactorなどに代表されるパソコン単体で部門単位で利用されている場合の2種類。PowerAutomateDesktop(以後,PAD)は後者の部門内での利用、もっと言えば個人が個人の仕事の効率化のために使用するRPAであり、Excel、WordなどDesktopアプリケーションが個人で利用されるようにそれと同レベルのDesktopアプリケーションの1つになりうるツールと言えます。Win10ユーザに無償で展開されたツールがいつまで無償なのかわかりませんが、将来的にRPAのスタンダードになる可能性は非常に高いと考えています。実際にいくつかのBotを作成してみた中で思うことは、プログラミング経験がなくても簡単なものであれば、自力で作成できるというのが、RPAツールベンダーの振れ込みですが、実際のところ、それが難しいというのが、今一つRPAが普及しない原因と思われます。また、それなりの投資が必要になるため、気軽に試すということができないのも理由だと思います。しかし、無料で使えるとなると、話は変わってきます。ExcelやWordを使うときに講習を受けた人は多くはないと思います。PADは気軽に使える環境を提供することでかなり、スタートのハードルを下げることができると思いますし、オフィスでの仕事を効率化しなければならない状況の中で使えるツールを利用しないのは電卓を使わないで作業をしてるのと同じであるという時代がそれほど遠くないのではないのでしょうか。利用する人が増えるのは確実で、いろんなところで情報が上がってくるようになれば、小規模企業での普及は爆発的に加速することになるでしょう。
PADを触ってみて、機能的にどうなのかについては、今後、随時、報告していこうと思いますが、大雑把なところで、まずは、Web画面のレコーディング機能、Desktopアプリケーションのレコーディング機能も保有していますし、Excel操作のアクション、マウス、キーボード操作アクション、Loop、Ifなど、他のRPAツールに劣っていない。他のRPAで採用されているフローチャート表示はありませんが、これは好き嫌いがあるところなので、特に問題はない。日本語ローカライズも行われていている。ただ、翻訳の中で少々問題がある部分もあるのですが、これは、時間とともに解決されるでしょう。
具体的に良いなと思ったのは、プログラム開発経験がない方が躓く1つ目が変数の扱いなんですが、テーブル変数、リスト変数など、アクション実行時にその結果を収めるために適した変数を自動的に作成してくれる。開発者は自動的に作成された変数の名前を自分の使い易い名前に変更するという使い方になります。
もう1点、開発していく中で思ったように動作しない時に変数の内容をメッセージ表示機能を利用しながら、確認しながら進めていくことがよくありますが、開発を行うデスクトップ画面の右側に実行中の変数の内容を表示してくれます。これが意外に便利で、ほとんどの場合、わざわざメッセージボックスを設定して表示させるという必要がなくなりました。
全社的に大規模RPAの開発を行ってきた企業では、簡単にツールの変更をすることはできませんが、部門内レベルで利用してきた企業においては、ツールの変更も検討されるようになると思います。年間利用料が100万円以上かかることを考えると、無償ツールは非常に魅力的で、利用するとそれがすべてコスト削減になるということです。今後、そのような企業のサポートができるようにいろいろ考えていこうと考えていますので、ご意見、ご要望などいただければと思います。当社、問い合わせページからよろしくお願いいたします。
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